シミュレーションゴルフの今

2015.12.21

韓国のゴルフバンを大公開!店舗インタビュー「予約できないほどの人気ぶりから出店を決意」

韓国でこの10年ほどの間に急増したシミュレーションゴルフ専門店舗「ゴルフバン」。その多くは個人のオーナーが経営しています。つまり、ゴルフバンは韓国のゴルファーたちにとっては手軽にインドアでゴルフを楽しめる場であり、一方、独立開業をめざす人にとっては格好のビジネスチャンスをもたらす対象でもあるのです。

ここでは、2015年8月上旬に、韓国のソウル、そしてテジョンのゴルフバンに実際に足を運び、オーナーのみなさんに聞いたインタビューの模様をご紹介します。なお、韓国のゴルフバンの概要については韓国で大流行のゴルフバン!ラウンドがメインの純粋にゴルフを楽しむ空間とは?で解説していますので、あわせてご覧ください。

店舗インタビュー その①

ソウルのゴルフバン

「楽しんでプレーしながら、スコアも確実にアップします」

最初のインタビュー対象はソウル(カンナム区)の繁華街にあるゴルフバンのオーナーです。50代前半、現在、3店舗のゴルフバンを経営している方で、1号店は8年前、2号店と3号店は3年前にオープンしました。サラリーマンとして会社勤務していた経験があり、その頃、上司に誘われて始めたのがそもそものゴルフとの馴れ初めだったそうです。

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会社帰りに2、3人で来店してワンラウンドを楽しむ


―― 1店舗目はどんなきっかけで始められたんですか?

オーナー 8年前なんですが、当時、インドアのゴルフ練習にシミュレーションゴルフが1台か2台入っていて、それを友達とたまたま見かけてプレーしたんです。それが面白くて、これはシミュレーターだけでビジネスができるんじゃないかと。それである時期から、その練習場のシミュレーションゴルフの予約が全然取れなくなって、このタイミングだったら自分が店舗を出してもいいんじゃないかと思ったんですよ。それで1号店を出すことにしたのが始まりです。カンナムエリアでは初のゴルフバンでした。

―― 最初のお店は何台のシミュレーターで始めたんでしょう。

オーナー 5台ですね。当時としてはスタンダードな台数でした。その頃は大体どこの店舗も4台か5台だったはずです。2号店は9台、この店は3号店で7台。今は7台くらいの規模が一番効率いいと思っています。


―― こちらのお店はどんなお客さんが多いんでしょう?

オーナー このあたりはオフィス街なのでサラリーマンが多いです。ほぼ男性ですね。ただ、個人的にはサラリーマン半分、自営業者半分という客層が理想的だと思います。昼は自営業者、夜はサラリーマンが来てくれますからね。それから、オフィス街の中心から少し外れた、中小の企業がたくさんあって、周りに飲食店があるような繁華街の方がお客さんの入りは多いです。そういうところはランチタイムに来るお客さんもいますよ。


―― サラリーマンがランチタイムにゴルフバンにやって来る?

オーナー そうです、ランチを食べながらラウンドして、また会社に戻っていくんです。


―― 一番お客さんが多い時間帯は?

オーナー 夜の8時~9時あたりですね。今は2、3人で来店するサラリーマンが一番多いです。初期の頃、ゴルフは4人一組という印象が強くて、お客さんも4人組が多かったんですよ。でも今は2人か3人ですね。大会をやる前には1人で練習のために来店する人もいますが。


―― 一般的にはみなさん、どんな雰囲気でプレーなさっているんでしょう?

オーナー スコアがいいお客さんの場合は、緊張感を持ってプレーしますね。フィールドゴルフの練習という感覚だと思います。でも一番楽しんでプレーしているのは実際のフィールドで100を切るくらいの人たちでしょう。30代~40代のサラリーマンで、2、3人で来てスコアを競い合う。自分たちの腕前より少し難しいコースを選んで挑戦しながらやっている感じです。


―― 純粋にシミュレーションゴルフを楽しんでいる。

オーナー ええ。それに会社が主催をして社員同士で来店することもあります。飲み会なども会社が経費精算する時がありますよね。でも、3人が飲みに行って使う費用よりゴルフバンで使う費用の方が安いから、会社としても推奨しているんです。健全ですしね(笑)。


店舗合同で開催する定期大会が盛り上がる


―― リピーターの率はどれくらいなんでしょう?

オーナー 一般的な常連さんが3割、マニアの常連さんが3割くらいです。残りが常連ではない一般の方ですね。マニアの人というのは週4、5回来る人です。しかも1回に4、5ラウンドやっていく。普通は1ラウンドです。このマニアの方たちというのは完全に大会目的ですね。それ以外の常連さんは週2回くらいのペースです。


―― 大会というのは?

オーナー オンライン大会で、メーカーが主導するものなどいろいろな規模のものがあるんですが、うちではずっと定期的に独自の大会を開催しているんです。お客さんを楽しませるにも、お店の経営戦略としても、大会はすごく大事です。今は月1回のペースで、比較的近いところにあるお店同士4~5店合同で大会を行っています。月のはじめから終わりまでプレーして、一番スコアがいい人が優勝という独自のレギュレーションのものです。


―― その大会向けの練習のためにお店に通う人もいるわけですね。

オーナー そうです。大会に参加するとお客さんのゴルフの腕もすごく上がるんです。最初は1人でコースを回るとすると40~50分はかかるんですよ、でもそれが、4週間くらい練習しているとスコアも良くなって、1人20分くらいで回れるようになる。なぜなら、コースを全部マスターするから。それはプロのゴルファーの慣れ方と一緒ですよね。一つのコースを全部覚えて回った方が楽しい。そして真剣勝負ができる。


―― シミュレーションゴルフをやっていると実際のゴルフ場でのスコアもよくなりますか?

オーナー もちろんです。ゴルフの腕を上達させるには優秀なレッスンプロに習うのが一番だと思いますが、もっといいのはシミュレーションゴルフのマシンを使いながらプロに教わることです。反復練習ができるし、スイングを映像で見られるし、データでどこをどうすればいいかわかりますからね。
シミュレーションゴルフをやっていれば100は切れます


―― プロには習わずにシミュレーションゴルフだけで練習をするとしたらどうですか?

オーナー 昔は韓国ではレッスンを受けてゴルフ場でデビューすると、大体最初は120、130というスコアだったと思います。でもシミュレーションゴルフができてからはプレーを楽しみながら練習して、ゴルフ場に出るといきなり90くらいのスコアで回る人が増えたんですよ。そういう人たちがシミュレーションゴルフ、特にGOLFZONの機械ですが、そのいいところ口コミで宣伝をしてくれました。それでゴルフバンが増えていったという側面もあります。


―― すごいですね。誰でも100は切れそうですね。

オーナー 1年くらいシミュレーションゴルフをやっていれば大体の人は100は切れますよ。実際に私が教えた人の中だと、シミュレーションゴルフでクラブを初めて握ってから1年4ヵ月で、ゴルフ場を79打で回るようになった人もいます。


―― それは衝撃的です。オーナーご自身のゴルフ場でのスコアはどれくらいなんですか?

オーナー 平均で+6、7くらいです。ベストは2アンダー。それとシミュレーションゴルフも好きなので、今はあまりやりませんが、3年前には全国ランキングで15位まで行ったこともあります。


―― すごい。やはりゴルフ好きな人がオーナーをやった方がうまくいくと思いますか?

オーナー それも大きいと思いますよ。例えばマシンの調子がおかしいとクレームをつけられた時に、自分で打って見せて、「大丈夫ですね」と言うこともできます(笑)。それとあまり忙しくない時間帯ならお客さんとゴルフ談義もできますしね。たまにアドバイスを求められることもあります。コミュニケーションが取れるというのが一番です。


―― お客さんと混じって大会に出ることはないんですか?

オーナー 基本的にはないんですが、あまり毎回、同じ人が優勝するような状況になった時に、たまに参加します(笑)。


―― それはいいですね。他にゴルフバンのオーナーとしてやっていくために必要な資質というのはありますか?

オーナー ゴルフが好きなこと以外には、機械もちょっといじれることですね。あとは接客業に対するセンスや経営手腕も必要ですが、それは当たり前のことを当たり前にできれば問題ないと思いますよ。


―― 貴重なお話をありがとうございました。

店舗インタビュー その②
ソウルのゴルフバン
「スタッフのきめ細かい接客やサービスで他店と差別化」

韓国のゴルフバンを大公開!

 

続いても同じくソウル(カンナム区)のゴルフバンのオーナーです。外資系の会社の取締役として10年ほど勤務した会社を退職後、ゴルフが好きだったことこからゴルフバンを経営することになったとのこと。それが約7年前です。こちらはオールコメントでご紹介しましょう。
「この店を始める前には6ヵ月ほど個人的にマーケット調査をやりました。カンナムエリアのゴルフバンをすべて回って、オーナーにもいろいろと話を聞きましたね。それで得た結論は、スタッフの教育に力を入れてサービスを行き届かせることに力を入れようと。
基本は笑顔で接すること。お客さんが入り口に入ってきたら、声をかけて出迎える。2回目に来店されたお客さんにはシューズのサイズも覚えておいてさっと用意する。スタッフはアルバイトなんですが、ちょっと時給も多めに払っています。それでやることをみんなでマニュアル化して実践しているんです。
接客以外にも、プロジェクターのフィルタの掃除などの作業も大事です。ゴルフバンを長続きさせていくためには他店との差別化が大事。その一つが、私の店の場合はスタッフのきめ細かい接客やサービスだと思っています」


店舗インタビュー その③
テジョンのゴルフバン
「キム・ヘユンのファンが多く訪れます」

韓国のゴルフバンを大公開!インタビュー③

 

次はテジョン(大田広域市)という韓国で5番目の大都市にあるゴルフバンです。再開発が進む新興の都市なので、ソウルとはまた違った雰囲気があります(GOLFZONの本社がある場所でもあります)。実はこの店舗を経営しているのは人気女子プロであるキム・ヘユンの実家。オーナーは不在でしたが、スタッフの方が取材に応じてくださいました。
「この店は一般のゴルフバンと違って、キム・ヘユンのファンというお客さんがよくいらっしゃるのが特徴です。お店の外や店内にもキム・ヘユンの名前や写真を出しているので、スタッフも名前を汚すことがないように気を遣って、接客やサービスをやっていますね。
それに、このあたりはハンファ・イーグルスというプロ野球チームがあるので、野球選手が遊びに来ることも多いんです。野球選手はゴルフが好きなんですよ。あとはサッカー選手や、お笑い芸人の方も来ます。来店したスポーツ選手や有名人のサインも飾っていて、ちょっと華やかな雰囲気を演出しています。

またGDRというレッスン用のマシンも設置していて、これは女性のお客さんの利用率が高いですね。そのあたりはソウルなどのゴルフバンとは違ったところだと思います」


店舗インタビューその④
テジョンのゴルフバン
「台数を抑えて開放感をもたせました」

韓国のゴルフバンを大公開!インタビュー④

 

最後もテジョンのゴルフバンです。ビルの10階フロアを丸々占拠する店舗で、なかなかの広さ。オーナーは携帯電話のキャリアである会社を5年前に退職し、当時、ゴルフバンがブームだったこともあって、思い切って店舗をオープンしたとのことです。
「5年前はGOLFZONの機械を導入した店舗が50%の成長をしていた時期です。たくさんのゴルフバンができていた頃でもあったので、他店との差別化を考えました。
というのは、このフロアはシミュレーションゴルフの機械が10台は入る広さなんですが、それをあえて7台に抑えたんです。その分、ルームを広くして、フロント前のロビーも作って、開放感と余裕を持たせました。
あとは、排煙設備を設置し、内装にも2000万円ほどかけて、全体に高級感を出すようにしたんです。それが功を奏して、滑り出しから遠くのお客さんがわざわざ来てくれるようになりました。もちろん、5年間の間には試行錯誤もありましたが、最近は家族連れでやって来る人たちも増えています。子供の頃から両親と一緒にやって来ていれば、そのうち大きくなってシミュレーションゴルフをプレーするようにもなるかもしれない。今後はそんな好循環のビジネスモデルもあり得るんじゃないかと考えているところです」