GOLFZON導入店舗インタビュー

2016.04.22

ゴルフバー3店舗経営のオーナーに直撃:シミュレーションゴルフ専門店を新たな投資先として開業した理由

6台のマシンを備え、ラウンド制を採用した店舗としてシミュレーションゴルフファンに支持されている「GOLF PARK Faraway 上野店」。
その特徴については、店長さんへのインタビューでもお届けしましたが、今回は同店をはじめ、現在、3つのシミュレーションゴルフ専門店を経営する会社の社長さんにご登場願いました。オーナーである土佐大介氏とシミュレーションゴルフとの出会いはどんなものだったのか。そしてシミュレーションゴルフ専門店という業態についてどんなことを思っていらっしゃるのかを語っていただきました。
Faraway 両国店(ゴルフバー)|ゴルフシミュレーター4台導入
Faraway 両国店(ゴルフバー・ゴルフシミュレーター4台導入)
ゴルフバーには「左打席」がなかった
―― 土佐さんは「GOLF PARK Faraway上野店」の他に、「Faraway 両国店」と埼玉県の「Faraway三橋店」の経営をなさっていらっしゃいます。最初は両国店からですか?
土佐氏 ええ、両国は平成20年の9月オープンですね。三橋が平成24年11月。上野は平成26年8月です。
―― 両国でシミュレーションゴルフのお店を始められたキッカケは?
土佐氏 私は新宿で別の会社(半導体の輸出入などを手がけている会社)をやっているのですが、その関係上、接待などでお客さんと飲みに行くことがあります。それで新宿や六本木のゴルフバーに行き始めたのが、確か平成18年頃でした。
ところが、私はレフティーなんですよ。当時、どこへ行ってもゴルフバーには左打席がなかったんです。みんなお酒を飲みながら楽しくシミュレーションゴルフをやっているのに、私は楽しめなかった。右で打っても上手く打てませんからね。「なんだこれは」と思いました(笑)。ゴルフ自体は好きでやっていただけに、ちょっと面白くない気分を味わってしまったんです。
―― フラストレーションを感じられたわけですね。
土佐氏 ええ。そんなことがあって、半導体の事業の方も順調に10年目を迎えていましたし、次のステップとして何か別の事業をやりたいと思った時に、自分でシミュレーションゴルフの店をやろうと思い立ったのがキッカケです。もちろん、左打席もあるものを作ろうということでね。
性能が良くないと、お客さんはすぐにわかってしまう
―― なるほど。マシンの選定はどんな風になさったんですか?
土佐氏 マシンは、いくつかのメーカーのものを実際に試して比較検討しました。ポイントは価格と性能のバランスでしたね。あるメーカーは1台300万円~350万円で、2台目、3台目はもっと割引するという見積もりだった。私はマシン4台で始めるつもりだったのですが、トータルで比べるとメーカーによってけっこう価格差があることがわかりました。
ただ、私が選んだのは、そんな中で一番高かったGOLFZONさんだったんです。なぜかといえば、価格が高くても、性能が良いものではないとお客さんはすぐにわかってしまうと思ったからなんですよ。
―― 実際にプレーするお客さんの立場で考えたわけですね。
土佐氏 そうです。これはたとえですけど、カラオケボックスの出始め頃って、どんな機械が入っていてもお客さんは来たんですよ。でもちっちゃな部屋に入って歌っていると「キーン」とハウリングを起こす機械があって、だんだんみんな、そういう店は避けるようになった。自然にね。やはり機械の精度というのは非常に大事で、お客さんも目が肥えていくものだから、良いものを用意しないと、ビジネスとして長続きはしないなと。初期投資が高くなってもGOLFZONさんを選んだのは、それが理由です。
―― 両国店では、GOLFZONのマシン4台でスタートなさったとか
土佐氏 そうです。で、4台のうち2台を左右両打席にしました。作ってみたら、なぜどこも左打席を用意しないのかわかりましたね(笑)。
―― なぜだったのでしょう?
土佐氏 結局、スペースが1.5倍必要なんです。打席を広くしないといけませんからね。なおかつ道具も、右用だけでなく左用もそろえないといけない。レフティーは恐らく全ゴルファーの5%くらいしかいないから、そこにも照準を合わせると、収益から考えると難しいということですね。
―― でも実際、左で打てるのが良いということでいらっしゃるお客さんもいらっしゃるのではないですか?
土佐氏 ええ、実はそうなんですよね。5%だけれど、例えば4人でいらっしゃるうちの1人が左打ちだったら、その5%が20%になるということはあります。
―― そこもプレーヤーのユーザビリティーを考えているということですよね。
土佐氏 そういう意味では、実は左だからというので埋まらない打席はないと思っています。逆に左があるから来たんだっていうお客さんもいらっしゃいますし。マシンの話と一緒で、そういう細かいこだわりも本当はあった方がいいのだと思っています。
Faraway 三橋店(ゴルフバー・ゴルフシミュレーター5台導入
Faraway 三橋店(ゴルフバー・ゴルフシミュレーター5台導入)
満席のときは他の店舗に誘導も
―― 少し話が飛びますが、その後、三橋店を経て、上野店も開店。上野店は最も成功しているシミュレーションゴルフ専門店だと思います。
土佐氏 上野店はもともとGOLFZONの直営店だったんです。1年半くらいかけて利益が出始めたタイミングだったんだけれども、会社側の都合で営業をやめることになったと。それでその店舗を買って新規オープンするのはどうかという話をいただいたんですよ。それで私も、立地から内装、スタッフの働きぶり、月々の売上なんかを見せてもらって、「これならいける」と判断して引き継ぐことにしたんです。「買いましょう」と。
―― 最も魅力的だったのはどこですか。
土佐氏 立地と集客力ですね。103坪で6ブースというのがうまくハマってると思いました。
―― 引き継いでから順調に売上も伸びていったようですね。
土佐氏 引き継いだ時が500くらいだったかな。今はもう600くらいいっています。相乗効果もあって、そのおかげで両国の方も1.2倍くらいに上がってきています。上野が満席だった時は「両国にどうぞ」と案内することもあるんですよ。移動のタクシー代が1,500円くらいなんで、タクシー代はお出ししますという形で。
―― 上野の立地というのはどういう点が良いんでしょう?
土佐氏 繁華街ということですね。単純に人が多い。駅に近くて、周りに飲食店がある。そういう立地の力はとても大きいと思いますね。このあたりはゴルフ用品店も10軒近くありますしね。
ゴルフシミュレーター6ブースからのラウンド制店舗
6ブースでラウンド制というビジネスモデル
―― それと、上野店はラウンド制ですよね。
土佐氏 そうです。もともとGOLFZONの直営店だった頃からラウンド制だったので、それもそのまま引き継ぎました。お客さんの評判は良いですよ。ただ、ラウンド制は、私は6ブースだから成功していると思います。時間制との比較で言うと、お客さんの満足度が上がって、店側からしても効率性が出てくる。最低5ブースならラウンド制はいけると思いますね。4ブースだとちょっとギリギリかもしれません。
―― ビジネスモデルとしては5~6台以上でならラウンド制ということですね。
土佐氏 あとは家賃との兼ね合いですよね。
―― もし、次の店舗をやるとしたら、ラウンド制と時間制は、どちらを選びますか?

土佐氏 ラウンド制にしたい気持ちはあります。それは本当に場所が決まって、坪数と台数が決まってから考えることですが。まずお客さんに満足していただくこと、それでリピーターになっていただくことを考えればラウンド制の方がメリットはありますから。あとは上野と両国と、もう一つ新しく作るなら錦糸町とかね、比較的近くの3店舗でやってみようかという考えはあります。その3店で上野が6台、両国が4台、錦糸町が仮に4台だとすれば、トータル14台がうまく埋まってくれるようなやり方も考えられる。そういうやり方であればこの商売は成功すると思っています。

※2016年4月現在、両国店・三橋店ともにラウンド制に切り替え。
わかりやすいシステムで、お客様にご好評いただいているとのことです。

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シミュレーションゴルフは本物のゴルフ
―― 改めて、シミュレーションゴルフの魅力ってどんなところですか?
土佐氏 お客さんによくいうのは、まずリアリティーというか、再現力ですね。本物のゴルフという感覚が得られることです。以前のシミュレーションゴルフってそこまで完成度が高くなかったんですよ。簡単にいうと、トップ、ひっかけ、チョロとか、ミスショットしても飛んでいっちゃったりしていた。ところが今のシミュレーションゴルフは、そういうミスもしっかり感知してくれます。ダフったら、ちゃんとダフったようにしか飛ばない。これは本当の練習になるし、楽しいですよという話をよくしますね。
―― スポーツをしている感覚が味わえるということですね。
土佐氏 ええ、90%くらいは感知しますからね。ただ、ゴルフ場でやるゴルフとは違う部分もあります。GOLFZONのマシンは、傾斜は調整できますけど、それでもライは違う部分もある。天然芝もないですし、ラインが描いてあるからいつでも正面を向いて打てる。残りヤード数もパッと数字でわかる。だから上手い人なら、シミュレーションゴルフだと5ストロークくらいはスコアがよくなります。100くらい叩く人なら10くらい良いスコアで上がれますね。
―― 要はフィールドゴルフと比べると条件が違うためにスコアは良くなるけれど、シミュレーションゴルフはミスショットもちゃんとミスとして計測されるし、フェアなゴルフであるということですね。
土佐氏 そう思います。やはりゴルフが上手い人はシミュレーションゴルフも上手いんですよ。技術が高い人は、GOLFZONのマシンでプレーすればちゃんと良いスコアが出る。下手な人が上手い人を逆転するなんていうことは、今のシミュレーションゴルフではまずありません。
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ゴルフを始めるきっかけにもなるシミュレーションゴルフ
―― ちなみに、土佐さんご自身はシミュレーションゴルフでどれくらいのスコアですか?
土佐氏 まぁ70くらいですかね。飲んでやっていると72~75くらいじゃないですか(笑)。
―― アンダーはすごいですね。お店に来るお客さんもシミュレーションゴルフをゴルフとして楽しんでいらっしゃる感じですか。
土佐氏 ええ。もちろん、ゴルフ場に行く暇があれば行きたいという人も多いでしょうけど、シミュレーションゴルフもきっちりとゴルフとして楽しんでいらっしゃいますね。平均すると40歳くらいのサラリーマンの方が多いですが、みなさん本気ですよ。
―― 若い人はどうでしょう。いかに若い人にゴルフをやってもらうかというのは、ゴルフ界全体の課題でもありますよね。
土佐氏 潜在的にゴルフに興味を持っている人は多いと思います。でも一番ネックなのは、ゴルフはお金が必要ということでしょう。道具を買うだけで何十万かかって、ゴルフ場行くのにも交通費とか含めて土日なら最低1万5,000円はかかる。今の若い人にそれを出せっていうのは無理がある。
―― 敷居が高い。
土佐氏 だから入り口としてシミュレーションゴルフというのは絶対良いはずなんですよね。あとは女性でしょうか。今は女性の若い人たちの方が何でも意欲的ですからね。ゴルフもそういうところがあると思います。
―― なるほど。シミュレーションゴルフがゴルフ人口を増やすキッカケの一つになってくれればいいですね。本日はどうもありがとうございました。

土佐氏のマシンの選び方、レフティー用のブースを作ったこと、ラウンド制の採用などは、やはりご自身がゴルフ好きであることが大きく関わっているように感じました。ただし、その裏には数字やデータに基づいた冷静な判断があることはいうまでもありません。プレーヤーとしての感覚とビジネスとのバランスを考えた上で答えを見つけていくその手法は、とても示唆に富んでいるのではないでしょうか。もしかすると実現するかもしれない新しい店舗のオープンも楽しみです。