GOLFZON

ゴルフ初心者が知っておきたいヘッドスピードと飛距離

2021.03.10

ゴルフの飛距離を出す時、そしてゴルフクラブを購入するときに重要なポイントとなるのがヘッドスピード。

みなさんはご自身のヘッドスピードをご存知ですか?

測ったことはあるけど「自分のヘッドスピードが平均よりも速い方なのか、それとも遅い方なのかわからない!」なんて方も多いのではないでしょうか。

今回はそんなヘッドスピードに焦点を当てて、ゴルファーの平均値や飛距離の計算方法までわわかりやすくご紹介していきます。

1 ヘッドスピードと飛距離は関係している?


皆さんはそもそもヘッドスピードとはどんなものかご存知ですか?

ヘッドスピードとはスイングしてボールがクラブに当たるインパクトの瞬間のクラブヘッド部分のスイングスピードのこと。

そしてヘッドスピードは飛距離と大きく関係しています。ヘッドスピードが速いほどボールは遠くへ飛び、遅いほど飛距離はでません。

つまりヘッドスピードと飛距離は比例関係にあるのです。そんなヘッドスピードは下記の計算式でおおよその飛距離を計算することができます。

飛距離=ヘッドスピード(m/s)× 5.5

例えばヘッドスピードが50m/sあった場合、”50m/s × 5.5″で大体275ヤードほどの飛距離がでているということがわかります。

もちろんこの数値はあくまでも目安。実際にラウンドすると風の向きや天候などの影響を受け、飛距離が多少前後することを覚えておきましょう。

また、ヘッドスピードをあげる=力強くフルスイングする、とイメージしている方も多いはず。しかし、ヘッドスピードを上げるために必要なのは正しく手首や腕、腰などを使うことです。正しい体の動きによってエネルギーを作り出した結果がヘッドスピードにつながるとイメージすると良いでしょう。

2 ヘッドスピードの測り方

では一体、ヘッドスピードはどうやって測ったらいいの?と疑問を持った方も多いはず。

ヘッドスピードを測るのにはいくつか方法があります。それでは早速みていきましょう。

2-1 ゴルフショップの試打コーナーで測ってもらう

ヘッドスピードはゴルフクラブを選ぶ際にも重要なポイント。

多くのゴルフショップでは試打スペースにスイング測定器が設置されているため、そこでヘッドスピードを測定することができます。

さらにゴルフショップではフィッティング専門のスタッフが在籍しているのでヘッドスピードを測るだけでなく、スイングを分析してもらったり、自分にあったクラブ選びを手助けしてくれるでしょう。

こういったサービスは有料のお店もあるため、不安な場合は事前に確認しておくと安心です。

2-2 ゴルフ練習場の業務用測定器を使用する

近年ではスイング測定器が設置されている打ちっ放しやゴルフ練習場が増えてきています。

おすすめは気軽にゴルフを楽しみながら測定できるゴルフシュミレーター。ヘッドスピードや飛距離を始めとした数値の測定はもちろん、自分のスイングを映像で確認することもできるのです。

打ちっぱなしや練習場では測定料金が打席料に含まれている場合、含まれていない場合があるので、気になる方は事前に店舗に確認しましょう。

さらに打席によって設置されているところが限られている場合もあるため、その場合は事前に予約するのがおすすめです。

2-3 市販の測定器を使う

正確にヘッドスピードを測りたい方にオススメなのが、市販の測定器を買って測ること。

各メーカーではヘッドスピードなど様々な数値を自分で測るツールを販売しています。

ゴルフクラブに取り付けてスイングすると、ヘッドスピードだけでなくボールのスピード、ミート率まで測定可能。自分のゴルフスイングを徹底的に分析するのにおすすめです。

中にはスマートフォンやアプリなどと同期して使うことができる優れものも。ゴルフショップで販売されているので、ぜひ探してみてください。

3 平均のヘッドスピード

ヘッドスピードの測定方法を踏まえ、次は平均値について知りましょう。

自分のドライバーのヘッドスピードと照らし合わせ、平均と比較してみましょう。

ゴルファー ヘッドスピード平均値 飛距離
一般女性ゴルファー 34m/s 未満 150ヤード前後
一般男性ゴルファー 35~43m/s 200ヤード前後
女子プロゴルファー 40m/s 以上 240ヤード前後
男子プロゴルファー 48m/s 以上 280ヤード前後

「自分は平均以上の数値がでてる!」なんて方もいらっしゃるかもしれませんね。中には「力はあるはずなのに、ヘッドスピードは平均以下…」なんて方も。

パワーヒッターでもしっかりとボールにミートしていなければその分、飛距離は低下します。反対に非力なゴルファーでもしっかりとミートできていればヘッドスピードは上がり、しっかりと飛距離を出すことができるのです。

上記の表のように一般ゴルファーとプロゴルファーでは平均数値の差が大きいことがわかります。

例えば、バッバ・ワトソン選手は53〜55m/sと、一般男性ゴルファーの平均と比較するとその差は歴然。

そして飛距離を争うドラコンの選手ともなると平均数値はさらに上がり、なんと65〜70m/sものスピードをたたき出すそうです。

4 ヘッドスピードを上げるためのポイント

4-1 自分にあったシャフトを選ぶ

各メーカーのゴルフクラブには、ヘッドスピードに応じて複数のスペックが用意されています。

そしてゴルフクラブ選びにおいて大切なのがシャフトの「硬さ」と「素材」。自分に適したものをしっかりと選ぶことで、よりヘッドスピードを出すことができるのです。

4-1-1 シャフトの素材とは

シャフトの素材は大きく分けて「カーボン」と「スチール」の2つが存在します。

まずはカーボン。カーボンシャフトの特徴は比較的軽くてしなりやすいため、打ったボールが上がりやすい点です。

距離が一番出るドライバーには、ほとんどのの製品にカーボンシャフトが使われています。

フェアウェイウッドやアイアンの場合、スイングが安定していてボールをより高く飛距離を出したい上級者ゴルファーにおすすめです。

そしてもう1つの素材はスチール素材。

スチールシャフトの特徴はカーボンと比べて重量がありしなりにくいため、比較的抑えたボールを打ちやすくなります。

ゴルフ初心者やヘッドスピードが平均のゴルファーはスチールシャフトを使用することで、重さを活かしたスイングができるでしょう。

4-1-2 シャフトの硬さとは

シャフトの硬さとは、シャフトのしなりのこと。バックスイング時にシャフトがしなり、振り下ろしてインパクト時にしなりが戻ることでヘッドが加速し、ヘッドスピードが上がります。

そんなシャフトの硬さには、「フレックス」と呼ばれる基準があります。

フレックスにはL、A、R、SR、S、Xと種類があり、Lが一番柔らかく、Xが一番硬いシャフト。

下記の表のようにヘッドスピードが遅めのゴルファーは柔らかめのフレックス、速いゴルファーには硬めのフレックスが適しています。

ただし、ゴルフクラブによっては同じRフレックスでも打感が異なることも。そのため、しっかりと試してから購入しましょう。

硬さ フレックス ヘッドスピード

柔らかい

中間

硬い

L:レディース ~34m/s
A:アベレージ 32~37m/s
R:レギュラー 38~40m/s
S:スティフ 40~50m/s
X:エクストラスティフ 47m/s~

4-2 腕の振り方

ヘッドスピードをあげるために意識したいのが、スイング時の腕の振り方。

ヘッドスピードをあげたいがために腕を振り回すのは逆効果です。かえってミート率が低下し、ミスショットにも繋がります。

そしてスイング中は両二の腕をしっかりと胸の近くでキープすること。すなわち脇を締めるのをイメージすることを徹底しましょう。

特に右脇を締めることを意識するとトップ時の右肘の角度をキープしたままインパクトを迎えることができ、そこからフォローで自然に右肘が伸びます。

このスイングができていると、自然にヘッドスピードも上がるのです。

4-3 下半身に注目

腕の動きだけでなく、下半身の動きもヘッドスピードをアップするためには重要です。

ダウンスイング時の左足を意識してスイングしてみましょう。

トップからクラブが降りてくるダウンスイングの際に、左足をしっかりと強く踏み込みこんでみてください。

すると体重移動が自然にでき、下半身のひねりにつられて上半身も下半身に追いつこうとする動きから、体の回転が早まります。結果的にヘッドスピードも上がるのです。

4-4 コックをキープ

コックとは手首の角度をキープしたままスイングをして、インパクト時にその角度を解放することです。わかりやすく言うと、トップ時の右手首の角度のこと。

腕と下半身の動きができたら、このコックが重要なポイントになります。

コックを入れるタイミングは人それぞれですが、そのコックをしっかりインパクト直前までキープすることを意識しましょう。このコックによるタメがインパクト時に解放されることでヘッドスピードが加速するのです。

5 ヘッドスピードを上げるための練習方法

5-1 タオルで素振り!

お家でも気軽にできる練習法としておすすめなのが、タオルを使用してする素振り。

細長いタオルを用意し、片方の先端を結んでクラブヘッドを作りましょう。

普段クラブを構えるようなイメージでタオルでスイングしてみましょう。

この時に意識したいのが、「体が先でヘッドがそれに追いつく」ような感覚をもってスイングすること。

下半身からスイングが始まり、腰、肩そして最後にクラブが動くのを意識しながらスイング練習すると、体の回転とともにヘッドスピードが上がる練習になるはずです。

5-2 ハーフスイングでスイングしてみよう

ヘッドスピードを上げるため、実際にボールを打つ際の練習法は、ハーフスイングで打つのがおすすめ。

アイアンで肩幅くらいにアドレスをとって、ゆっくりとテイクバックします。

この時、手首がL字になったら一旦動きを止めましょう。

これを数回繰り返して自分のコックの位置、手首の位置を確認しましょう。このとき、下半身は動かさずに上半身のみでスイング動作を行ってOK。

スイングを数回繰り返し、どんどんスピードをつけていきます。

テイクバックからダウンスイングまではゆったりと動かし、ボールをヒットしてからはやく振るのが理想的です。

これを繰り替えし練習することで体が回転するタイミングとスイングのリズムを覚え、ヘッドスピードアップにつながるでしょう。

まとめ

今回はヘッドスピードについてご紹介しました。

飛距離にはパワーだけでなく、シャフトのしなりや体の回転からくるヘッドスピードが大きく関係しています。

腕の力のみでスイングしがちだったゴルファーの方は今回を機に自分のスイングを見直し、ヘッドスピードアップを目指して練習してみましょう。

またスイングを見直すだけでなく、体幹を鍛えることもヘッドスピードの向上に繋がりますので積極的に筋トレをするのもおすすめです!