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飛距離が出るゴルファー出ないゴルファー、その差はミート率の差が原因?

2021.03.15

ゴルフに慣れて上達を意識し始めた頃によく耳にする「ミート率」という言葉。

皆さんは一体なんのことかご存知ですか?簡単に言うとミート率は「いかに効率良くボールを打てているか」を表した数値のこと。

ところで、力があってヘッドスピードが速いのにあまり飛ばないゴルファーの方ってたまに目にしますよね。それにはミート率が関係しているかもしれません。

ミート率は飛距離に直接影響を与えるため、飛距離を現状より伸ばしたい方は意識すべきポイントなのです。

今回はそんなミート率についてご紹介していきます。

1 そもそもミート率とは?

そもそもゴルフのミート率とは「ボールスピード」を「ヘッドスピード」で割った値のこと。数値が高ければ高いほど「効率的にボールを打てている」ということを意味します。

それでは実際にどのような計算式なのかを見ていきましょう。

下記が計算式です。

ボールの初速(m/s) ÷ ヘッドスピード(m/s) = ミート率

この計算式にPGAツアーでも屈指の飛ばし屋ローリー・マキロイ選手を当てはめたのが下記の例です。

79.8m/s(ボール初速) ÷ 53.6m/s(ヘッドスピード) = 1.49(ミート率)

2 平均的なミート率はどれくらい?

2-1 アマチュアゴルファーの場合

アマチュアゴルファーの平均ミート率は1.3前半程度。

アマチュアゴルファーの平均値は、初心者ゴルファーからシングルゴルファーまでの幅広い層の平均です。そのため、ヘッドスピードの平均値も38m/s~43m/sの幅があると言われています。

この数値を基にシングルゴルファーの場合で算出すると、1.3後半〜1.4ぐらいが理想的。一方、初心者ゴルファーの方は1.3前半程度の平均ミート率が出ていればかなり優秀な数値と言えます。

ぜひご自身のミート率と比較してみてください。

2-2 プロゴルファーの場合

プロゴルファーの場合、平均ミート率1.5程度と言われています。

プロゴルファーと言っても、腕力の違いから男性プロと女子プロで値が異なるイメージがありますよね。

しかし、男女共にアマチュアゴルファーの平均と比べておおよそ0.2高い、1.5が平均ミート率です。

そしてゴルフボールはミート率1.56を超えないように作られています。

つまり、1.5という平均ミート率は驚異的な数値なのです。

3 ミート率が上がると飛距離が伸びる


前述の通り、ミート率とは「いかに効率的にボールが打てているか」を表した数値。

軽く振っても飛ぶゴルファーっていますよね。反対に力があってヘッドスピードが速くても飛ばないゴルファーも。

それこそが「ミート率」の差です。

ミート率が高いゴルファーはボールに効率良くエネルギーを伝えられているため、同じヘッドスピードでもミート率が低いゴルファーと比較するとその差は歴然。ミート率が高い方がより飛距離を出せるのです。

ちなみにミート率が0.05アップすると、ボールの初速は2m/s速くなると言われています。

そしてボールの初速を4倍した数値がおおよその飛距離。つまり、ミート率が0.05アップすると8ヤードも距離が伸びるのです。

4 ミート率を上げるためには

4-1 クラブの芯で打つ

エネルギーを効率的にボールへと伝えるには、クラブの芯にボールを当てることが非常に重要です。

近年では、スイートエリアが広いゴルフクラブを目にしますよね。多くのゴルファーは「スイートエリアが広い=芯が大きい」と勘違いしてしまいがちです。

しかし、スイートエリアが広いとは芯が大きいわけではなく、芯を外してもブレにくい設計になっているという意味。多少のミスショットが出ても初速が落ち辛いということです。

つまり、スイートエリアの範囲に関係なく、しっかりと芯でボールを捕らえればエネルギーを効果的に伝えることができるということ。

そのため、ミート率を上げるためには安定したスイングを習得することが重要なポイントなのです。

4-2 短いクラブを使う

「ドライバーを始めとした長尺のクラブで飛距離が稼げない」なんて悩みを持っている方は多いのではないでしょうか?

クラブが長くなるほどミート率は下がる可能性があると言われています。そのため、短いクラブを選択するのも1つの手です。

しっかり芯で打てた場合は長いクラブの方が飛距離は稼げます。しかし、長尺のクラブが原因でスイングが安定させられないのであれば元も子もありません。

そのため、一番使用頻度が高い7番アイアンや、アイアンの中でも一番短い9番アイアンなど、適度な長さで問題なく振り切れる重めなクラブを使用して練習すると良いでしょう。

5 ミート率を上げるための練習方法

5-1 ビジネスゾーンでのショット練習

飛距離を伸ばそう伸ばそうと、フルスイングばかりの練習になっていませんか? 残念ながらフルスイングばかりの練習ではミート率はなかなか上がりません。

ミート率を上げるためにはフルスイングではなく、まずは小さな振り幅の練習から。腰の高さまでの半円の範囲、ビジネスゾーンでの練習から始めましょう。

まずはスタンス幅はこぶしひとつ分にして狭いアドレスをとります。

次に腰の高さまでバックスイングを行い、そこから同じ高さまでダウンスイングしてフィニッシュ。

トップもフォロースルーもクラブが地面と平行になるようにスイングするのがポイントです。

コンパクトなスイングでボールを芯で捕らえる感覚を習得しましょう。

5-2 肩から肩のスイング

前項のスイングで安定してミート出来るようになったら、徐々にスイング幅を広げて肩からの肩のスイングで練習をしましょう。

ここでの注意点はショット時に足が浮かないようにすることです。 肩幅程度のスタンス幅を保ち、足が浮かないようベタ足のまま左右へブレないことを意識してスイングします。

スイングが大きくなると、どうしても思い切り振って飛距離を出したくなりますが、ここは堪えて繰り返し芯に当てるのを徹底的に意識するのが重要です。

5-3 スリップハンド打ち

右手をグリップの先、左手はグリップエンドを握るスリップハンド。

この握り方では両手ともはっきりと見えるため、スイング中の右手と左手の入れ替えが視覚的に認識できるのがポイントです。理想的な手首の返しが身につきます。

また左脇も締まるため、手と体が同調したスイングに。確実にボールを芯で捉えられるようになります。

5-4 7番アイアンでティーアップして打つ

前述の通り、まずは短いクラブから練習するのが効果的です。併せてティーアップした状態からボールを打つ練習を取り入れてみましょう。

ボールを練習用マットに置いた状態でショットするとソールが滑るため、しっかりと芯に当たったかを見極めるのが困難です。ティーアップすることで、しっかり確認することができます。

ビジネスゾーンでのショット練習を心がけ、繰り返し練習することが大切。慣れてきたら徐々に長手のクラブにシフトしていきましょう。

まとめ

今回はいかに「効率的にボールを打てるか」を表した数値「ミート率」についてご紹介しました。

ミート率が高いゴルファーは低いゴルファーと比べて、より効率良くボールにエネルギーを伝えることができます。

つまり、ミート率が高いゴルファーの方が飛距離を出せると言うこと。

ヘッドスピードがあまり変わらないゴルファーでも飛距離に差が生まれるのは、ミート率の差が関係しているのです。

そんなミート率を上げるには、クラブの芯でボールを捕らえることが大切。

安定したミート率を手に入れるためにも、本記事を参考に練習してみましょう。