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ゴルフシミュレーターの練習活用法

2016.04.19

ティーチングプロ・ヨッシー小山さん(後編)「ゴルフシミュレーターはメジャーメント感覚を養うことに最適」

ヨッシー小山さんインタビューの後編です。前編では、ゴルフ以外のスポーツも組み合わせることで上達する方法など、日本にはなかったレッスン方法、考え方について教えてもらいました。この後編では、引き続きヨッシー小山さんに、シミュレーションゴルフを使ったレッスン、特にメジャーメント感覚を利用した方法について詳しく語っていただきました。

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“メジャーメント感覚”という考え方


―― この「ドライビングレンジ日比谷」でもレッスンをされていらっしゃるんですね。

ヨッシー小山 はい、こちらがオープンした3年前から個人レッスン、グループレッスンをさせていただいています。


―― ここではインドアでのレッスンだったわけですが。

ヨッシー小山 そうです。私にとって初めてのインドアレッスンで、けっこうチャレンジでした。でもここで試行錯誤しながらやっていくうちに、インドアならではのメリットもあるのだとわかってきたんです。まず私がやろうとしたのは、インドアという限られた空間の中で、20ヤード、50ヤード、100ヤードっていう距離感をどうつかんでもらうかということです。150ヤードくらいならクラブの番手を変えてフルスイングすれば出るんですよ。でも、ショートゲームをどうやって教えるかが私にとっては一番の課題だった。どうやってこの人たちに距離感をつかんでもらえばいいだろうということですね。


―― どんな風に解決したんですか?

ヨッシー小山 わかったのは、“メジャーメント感覚”をしっかりマスターすればいいということです。例えば、時計で7時から5時まで振ったらあなたは何ヤード、8時から4時まで振ったら何ヤードという風に覚えていくんです。これがメジャーメント。
で、さらにコックを使ったら何ヤード、体重移動したら何ヤードというのもやっていく。それを例えばサンドウェッジ、アプローチウェッジ、ピッチングウェッジで計って表にします。すると、20ヤードの距離の打ち方がポンポンポンっていくつか出てくるわけですよ。どうやったら20ヤード打てるかが表にするとわかる。すると、実戦ではシチュエーションに応じて、その20ヤードの打ち方から適したものを選んで実行すればいいわけです。転がした方がいいのか、上げた方がいいのかといったことを考えてもらって、打つ。単純ですが、基本はこれだけです。


―― どのクラブを使ってどれくらいの幅で振ればどんな球筋の20ヤードが打てる、というのを体得するわけですか。

ヨッシー小山 そうです。実際に20ヤードを打つ方法を何度も練習します。さらに、ここにあるゴルフシミュレーターを使うと、同じ20ヤードでもバンカー越え、フェアウェイからなどシチュエーションを変えた練習もできます。映像で見ながら打って「こういう時はこの打ち方でいきましょう」と練習をするんです。

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初心者女性4人グループが3ヶ月で9ホールデビュー


―― インドアではゴルフシミュレーターも使いつつ、まずショートゲームを練習する、と。

ヨッシー小山 ええ、ゴルフを始めて最初の頃に苦労するのって大体ショートゲームなんですよ。みなさんよくドライビングレンジで打つっていう練習はなさるんだけど、短い距離感の練習っていうのはあまりしない。でも、メジャーメントを体得すれば、ショートゲームはバッチリ攻略できるんですよね。
今でもよく覚えているのは、20代~40代の女性4人グループに、その方法でレッスンした時のことです。ほんとに一から、インドアだけでレッスンをしました。3ヵ月間練習して、それから初めて外に出て9ホールデビュー。最初はね、みんなテンパっちゃうからいろんなこともあったんですけど(笑)。けれど冷静になって、練習の時のことを思い出して、「今、30ヤード残っていますよー」って。「こういうシチュエーションですよ、何番選んでました?」って聞くと思い出してくれて。それである女性がグリーンに乗せられて、そのあと2パットで入ったんです。そこから始まったんですよ。


―― 3ヵ月前には初心者だった人たちが。

ヨッシー小山 ええ、感動しますよね(笑)。私も、その人たちも「おおー!」みたいな。ショットの方もだんだん慣れてきて、まかり間違って1オンしちゃいそうになったり、とうとうパーも出たんです。すごいでしょ。その半年後にはその4人でチーム組んで、私のトーナメントのスクランブル戦にも出てきてくれました。

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ゴルフシミュレーター「GOLFZON DRIVING RANGE」は様々な距離のアプローチ練習が可能


ゴルフシミュレーターで精度の高いメジャーメント感覚を養う


―― ゴルフシミュレーターも、特にここに設置してある「GOLFZON DRIVING RANGE(以下:GDR)」という練習用のマシンは、映像でチェックしながら細かいスイング解析ができて、いろいろな練習用メニューも用意されています。

ヨッシー小山 私がゴルフシミュレーターで面白いと思うのは、実戦と似た苦手なシチュエーションを用意して、ゲーム感覚で何度でも挑戦できること。飽きずにがんばれるのがいいですよね。ただ、私はまだまだこの高度なGDRを使いこなせていないんですよ(笑)。だから、もっとマシンのことを勉強したい。


―― それはもう、ぜひお願いします。それと、先ほどのメジャーメントでいえば、ゴルフシミュレーターを使えばちゃんとその距離が出ているかが簡単に数字でわかります。

ヨッシー小山 それは大きなメリットですよね。アウトドアや通常のインドアでは、どれくらい飛んだか、どの方向だったか、どんな弾道だったか、数字ではわからない。だからアウトドアのドライビングレンジだと、当たる感覚だけの練習になりがちなんですよ。それと、外で練習する場合は視覚的な情報量が多すぎて、自分の身体の動きにフォーカスしづらいという問題もあります。インドアは逆で情報量が少ない、閉鎖的な空間なので、自分のことにフォーカスできるんです。アウトドアが悪いというわけではないんですけどね。


―― 自分の身体にフォーカスできるというのをもう少し詳しく教えてください。

ヨッシー小山 これもメジャーメントと似た考え方です。「20ヤードってどうやって打ちますか」って聞いたら、多くの人は自分の打ち方が説明できないと思うんです。20ヤードって目に見える距離だから手打ちでもなんとなくパチンと打てちゃう。それで合った、合わないって毎回やってしまってる。でもゴルフを2、3年やっていれば20ヤードって何百回も出てくるような距離なわけですよね。それなのに毎回、その場その場で考えて打つのっておかしいと思いませんか?


―― 確かに、そうですね。

ヨッシー小山 そこでメジャーメント感覚を使いましょう、と。レッスンでは最初に、普段使っているクラブ、例えばサンドウェッジで「どうやって打っているか、レッスンするように私に説明してください」って聞くんです。なかなか説明は難しいんですけど、一緒に確認してみると、ある人はクラブのヘッドを股関節の横まで持ってきて、体重移動をして、腰をこれくらい回転させて打ったら20ヤード飛んだ、その打ち方が一番安定する、ということがわかる。これが身体にフォーカスするということです。じゃああとはそれの再現度を高めればいい。その時にゴルフシミュレーターがあれば距離が出るのでわかりやすいし、自分でフォームを見られればより覚えやすいと思います。


―― なるほど、合理的ですね。打ち方は自己流でもいいんですか?

ヨッシー小山 とりあえず、自己流でもいいって私は言っています。あまりにも非効率的な動きをしている場合には直すんですけど、コックを多少使うとか、肩だけで持っていけるくらいだったらそれでOKです。もっとシンプルで、誰でも絶対にできるのはパターです。パターの誰でも入る距離。これでこの身体へのフォーカスとメジャーメントをやってみることです。

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練習はパターから始めてドライバーで終わる


―― 短い番手から始めていくんですね。

ヨッシー小山 そうです。パターからやります。練習もパターからやってもらっています。パターも絶対に入る距離から始めて、メジャーメントを作っていくという方法があるんです。練習ではそこから少しずつ長いクラブにしていって、ドライバーは極力、最後の方ヘトヘトになってからやります。


―― なぜ最後がドライバー?

ヨッシー小山 そこまでヘトヘトになると、ドライバーは5、6球でやめてくれるから(笑)。そうしないとみなさん、ドライバーが好きなのでそっちばかりになっちゃうんですよ。一番難易度が高いクラブから始めるのは、私は効率がよくないと思います。パターとかアプローチが上手い肩の方が、スコアは絶対いい。ゴルフは飛ばしてなんぼ、という競技ではない。それはドラコンだけの話。
同じように、スイング作りばかりやっている方もいらっしゃいますよね。テイクバックポジションがとか、大きなフォロースルーがとか、フィニッシュの形とか。そういう方もいらっしゃるんですけど、これも別にほら、フィギアスケートと違って演技点が何点という競技ではないので(笑)。


―― そのとおりですね。耳が痛いです(笑)。

ヨッシー小山 パターから練習を始めてドライバーで終わるのは、プロの練習でもそうですよ。もしドライバーから始めて他のクラブはちょっとだけ打つ、っていう人がいたら、それは改めた方がいいと思います。


―― インドアで自分の身体にフォーカスしながら、メジャーメントをモノにする。そうすればゴルフは上手くなる、と。

ヨッシー小山 繰り返し練習して、ゴルフ場で再現できるようにするだけです。ただし、そんなに根を詰めてゴルフだけやるんじゃなく、他のスポーツもやってみた方が健康的です(笑)。


―― まずはその意識改革からですね。本日はお忙しいところ、ありがとうございました。

いかがでしょう、ヨッシー小山さんへのインタビューは、ご本人がとても明るく楽しそうにお話になることもあって、聞いていると本当にできそうな気がしてくるというか、レッスンを受けてみたい、練習をしてみたいと気にさせられるものでした。まずは、20ヤードのメジャーメントから……。これを読んでいるあなたもぜひ、参考になさってみてはいかがでしょうか。
そして、シミュレーションゴルフをレッスンで実際に活用しており、それも他にはできない形でというお話も聞けました。このような手法の有効性がどんどん認められていけば、新しいレッスン方法の定番として一般的に利用される日も近いかもしれません。

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Profile
ヨッシー小山プロ
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2000年からから家族に帯同してアメリカに移住。「子供が学校の間にゴルフ」のスタイルで3年目にはシングルプレーヤーになり、5年目でアメリカLPGAティーチングプロに。
カリフォルニア州サンノゼを中心にレッスンを展開し、2011年に日本へ帰国。
帰国後はWEBレッスン番組「美☆スイングゴルフ」に出演し、ジュニアやレディースを中心に力を注いできたが、2015年よりVision54認定コーチとして、笠りつ子プロや藤本麻子プロを始め、ツアープロやトップアマチュアへのメンタルアドバイスも行っている。

オフィシャルサイト
http://yoshiegolf.com/
オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/yossy444golf/